当然のようにバラデロはよく晴れる。
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 長い砂嘴カリブ海に向けて突き出したその地形のせいだろうか、雲がここでは発生しない。
 雨を降らすような雲が出る時、それはいつも必ず陸地のある東南東の方角から流れて来る。
 ちなみに雨期のハバナで毎日のように繰り返される天気は大体こんな感じだ。
 〜朝はよく晴れた空、午後になると東の空に黒い雲が見え初めて、夕方にはいつの間にかスコール。しばらく降ると雨はピタリと止んで、夜空に星が出る。〜
 当地バラデロビーチも午前中の方が良い天気だ。
 昨日は雨も降らなかったけれど、降るとしたら決まって夕方だ。


 カフェテリアに降りると、朝食のサービスはやはりパンとフルーツのみになったようだ。
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 その後、海を見に行った。
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 今日は人がとても少ない。
 あの喧噪は土、日のためであったのか。
 以前のバラデロのようだ。
 今朝はビーチに外国人も見受けられるが、しかし、それでもキューバ人の方が多い。
 とはいえ数えることの出来る人数。
 見渡した限りでは50人といないだろう。


 部屋に戻ると、ベッドの上にタオルで装飾が施されていた。
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 ここいらの習慣だ。
 昨日はメイドがやって来た時間が思ったより早かったのでチップをあげ忘れたけれど、今日は朝食へと出る時にチップを置いていったから、それなりにサービスがよい。


 しかし以前はちらほらとあちらこちらで見かける事の出来た流しのミュージシャンが、一昨日、昨日と全く見受けられない。
 これは大変に残念な事である。


 泳ぎに出る。
 午前中はまだ朝の陽射しでアスファルトも熱くないから、裸足でビーチへと向かう。
 推定水温28℃、朝の海水はやや冷たい。
 しかし、どこまでもクリアだ。
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 一粒の夾雑物さえ見つける事の出来ない海面。
 ミネラルウォーターを注ぎ込んだかのような透明。
 世界中の名だたるビーチでも、これほどのクリアな海水で泳ぐ体験はそうそう出来ないだろう。
 クロールで泳ぐと、手先から散る水滴が海底に光の輪をいくつも描く。
 それから海底に見える波の反映は大きめだ。
 これは1.5〜2mほどの浅い場所だから。
 深さ5〜7mになるあたりの水面を泳ぐのが好きだけれど、そこいら辺では海底に映る波の紋様はずっと細かくなる。
 沖合で泳ぐ人は、今日も私を除いて誰一人としていない。
 ま、ここいらへんで万が一にでも体に変調をきたせば、ほぼ確実にこの世とおさらばだ。
 今日は体長30cm超のアジを見かけた。
 料理したら食べごたえがありそうだ。
 海面近くの水中から海面を見上げると、水面にはやはり塵ひとつ見つける事が出来ない。
 完璧な透明。
 何もないから安心して前に進める。
 クラゲがいたり、あるいは何かが水面に浮いていると、それらが気になり落ち着いて海中を覗き見る事も出来ないし、また、思い切りクロールする事も難しい。
 しかし、ここバラデロビーチではそれが出来る。
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 長時間平泳ぎで泳いでいたら、首が痛くなってきたので浜に上がる。
 椰子の葉のパラソルにビーチチェアーがあったのでそれに寝そべっていると、これは有料で30¢かかりますと英語で言われた。
 なんだ、ちぇっ・・・30¢くらい惜しくはないけれど、今は一銭の手持ちもない。
 これって以前、有料だったっけ?
 再び海へ。
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 帰り道のアスファルトはすでに熱かった。
 より白いコンクリートはそうでもない。


 ビールを飲みに外へ出る。
 あの行列のピザ屋は閉まっている。
 平日はキューバ人が少ないから閉店するのか、それとも月曜定休なのか。

 昨晩彼女と飲んだオープンテラスに、今日は楽器が置いてあった。
 店内には外国人観光客ばかり。
 今日はチップも多い事だろう。
 あそこは1缶1.5CUC。
 キューバでビール1缶飲むのに日本と同じお金を払うのはちょっと厳しい。
 が、ライブミュージックがあるなら、それもOKだ。
 そう言えば「INFANTA 657/Koji Fujita」のジャケット写真を撮影したのは、このオープンテラス「アマネセール」の前だった。
 イルカの群れを見たのもここだったな。
 思い出深い場所だ。
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 コッペリアに人影が見えたので入ろうとするも、全てのゲートが工事中で閉じられている。


 コッペリアすぐ側の方のラピドでブカネロの中生をたのむ。
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 店内は静かで外国人ばかりだ。
 要するに平日は今まで通りなんだ。
 以前だって休日にはキューバ人が増えた。
 しかし今回の増え方は半端ではなかった。


 帰り道に行列の出来ない方のピザ屋に寄ってみる。
 こちらは本格炭火焼き。
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 これはこれで美味しいのだけれど、しかし何かがあちらとは違う。
 材料は多分同じだ。
 値段も一緒。
 どうも焼き方が違うんだ。
 調理も芸術ですね。
 ここ一帯ペソ払いの屋台ではどこでもマヤベが1缶18ペソ(=0.75CUC)。
 これの風味はブカネロやクリスタルと比べても遜色ない。
 マヤベはオルギンのビール。

写真:ピザとマヤベ
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 これを注文していると「マナカを飲め」と声がかかる。
 こちらはビージャ・クララ州のビールで1瓶10ペソだ。
 やばい味のビールかもしれないけれど、近いうちに味見させてもらう事にしよう。

 今や庶民の街、バラデロ・セントロ。
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 午後、珍しく全天曇り。
 曇りのなかで泳ぐと海中の視界が落ちてイヤなものだが、ここはそんな感じがしない。
 表層を泳ぐサヨリの仲間。
 珍しく中型のアジが群れて泳ぐのを見た。
 午後、と言っても18時頃だけど、この時間には釣り人が多い。
 中には釣り竿を持っている人もいるけれど、大抵はテグスをそのまま手に持つシンプルな釣りだ。
 アジ狙いだろう。
 釣り人のいる沖合を泳ぐ時には注意が必要だ。
 曇ってはいるが、波は全くなく透明度は高く、巨大な塩湖で泳いでいるようだ。
 沖合から岸を眺める。
 海に面したレストラン、アマネセールには人影がちらちら見えるけれど、もう1ブロック先のエル・カスティジートには誰もいない。
 曇りの中で泳ぐのも日焼けをまったく気にしなくてよいから悪いものではない。
 特にここバラデロでは曇りでもイヤな感じがしない。
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 夜、闇の中を泳ぐのは怖いけどね。
 夜になると海中の生物は入れ替わる。
 夜に泳いだ事はないけれど、夜釣りでは釣れる魚が全く変わってくるし、それに防波堤から夜の海を眺めるのは好きだから、夜には海の様相が一変するのは知っている。
 どちらかと言うと、夜の海の方にグロテスクな生物が増える気がする。


 ホテルに戻る途中のオープンテラスからは英語が聞こえてきた。

 中国語のまねのつもりで発音してくる少女達がいたから、日本語で「何言ってるんだ?」と語りかけてやったら、それがやたらウケた。
 街を歩いていると、通りすがりにデタラメ中国語を浴びせてくるキューバ人は意外に多い。
 バカにされているようで、それは案外不愉快だ。
 大体「チーノ(中国人)」と言われるとやたらムカつく。


 部屋に戻ると1時間とちょっと過ぎていた。
 いいペースの運動時間だ。

 20時過ぎ夕方の街。
 うっかりと虫避けを塗り忘れたら、早速3カ所刺された。
 通りを歩く人には外国人が目立つ。
 全く理解できない言葉を喋る人たちがいた。
 英語でもスペイン語でもイタリア語でもポルトガル語でもフランス語でもドイツ語でもない。
 しかし、白人だからヨーロッパの言語だ。
 どこからやって来た人たちだろう?

 散歩は初めてバラデロに来た時、宿を取ったオテル・エラドゥーラ前で引き返す。
 道々で見かけるレストランへの人の入りにはばらつきがある。
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 途中、ネットカフェを見つけたが、料金は全国840円/hが相場のようだ。
 これで回線が遅かったら目も当てられない。

 泊まっているホテルの前を通り過ぎて昨晩サンチェス氏におごってもらったダ・プリッサに寄る。
 今日はボトル瓶が冷えている。
 ここも今夜は外国人ばかりだ。

 今夜は特別に涼しくて、軽井沢にでもいるかのように涼しい。
 快適です。

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