このリスボン−セビージャ間が今回の旅のうち、最大の難所。
車内でぐっすりと眠り、早朝着予定のバス・ターミナルで夜明かしをする予定なのだが…。


バスは順調、5:20にターミナルへと到着(ポルトガル時間4:20)。
ここで夜明かしするつもりだったのだが、ターミナルは開いておらず真っ暗で、発着所もすぐに閉めてしまうという。
仕方なく暗い夜道をセントロ方面へトボトボと歩いて行くのであった。
おそらく2キロ弱は歩いたと思うんだけど、とにかく店という店は全て閉まっていた。
頼りにしていたマクドナルドでさえも閉店中。スタバもダメ。
ダメダメダメ。
いやー参ったね、こりゃ。
6時を少し過ぎたあたりからバスや市電が動き出し、人の往来が活発になってきた。
とはいえ7時になっても街は真っ暗だ。
暁にもならない。
こりゃ参ったね。

カフェとかは何時になったら開くのだろうか。

とりあえずぽつねんと市電のベンチで過ごす。

仕方なくカテドラルとか、夜の観光。
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スタバ、7:30にオープン!
とりあえず一息。
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8:15。
付近は明るくなってきたものの、日の出はまだ。
人の往来は活発。

刻々と明るくなってくる。
日の出も近いな。

この後、まずバスターミナルへと行ってしまおうかと思う。
セビージャ−コルドバ間のバスは未予約。
当日でも良い可能性は高いのだろうけれど、さっきのバスの混み具合をみると、予約しないのは時間の無駄を生み出しそうで不安だ。

おっ、あれがヒラルダの塔か。
今、気付いた。
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8:30を過ぎて、ようやく塔の先端が陽の光を浴び始める。

結局たまっていた写真の整理をしていたらお昼近くになってしまったため、ヒダルダの塔とカテドラルを見学して、その後宿へと向かってみる。
チェックインの時間より早く入れてくれるところも多いから、一応望みをかけてみた。
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結果はアウト。
しかし荷物だけは部屋に置かせてもらえたので、軽くなった身でブラブラと散歩。
まずは到着したプラサ・デ・アルマスバスターミナルをチェック。
当たり前だがお昼には普通に開いている。

その後川縁をぶらぶら。
お相手はというビール。

その後再びヒラルダの塔を見に行こうとするも、ゼネストに阻まれてアウト。
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なんだよー、こんな日に限って。
早朝から騒がしかったが、お昼には道を埋め尽くす人の波。
爆竹?もバンバン鳴ってるし、ちょっと行く気が萎えた。

別の場所では優雅なコラールのオーケストラ(ブラスだけど)に乗って気勢を上げているスト集団が。
さすがはヨーロッパ。

ま、とにかくこのストライキの人混みをかき分けてカテドラルに到達する事は大変な難儀が予想されたので、すぐにコルドバ行きが発着するというバスターミナルへ。
…行ってみてがっかり。
窓口がプラサ・デ・アルマスバスターミナルへと移動したそうだ。
振り出しに戻る。
いやー、こなきゃよかったな。

引き返す。
セビージャには地下鉄が通っているが、観光には使いづらいルートだ。
徒歩で引き返す。
プラサ・デ・アルマスバスターミナルでチケットを買った。
明日の9時発。
近郊だからたくさん便があるだろうという考えは甘かった。
9時の次は13時半だ。

宿へ戻る。
14時。
しかしまだ掃除が終わっていない。
さすがはスペイン時間。

ほどなく部屋へ。
シャワーを浴びて再び街へ。
偶然フラメンコの有名タブラオ、ロス・ガーヨスのチケット販売所を見つけたので成り行き買い。
30ユーロ。
その後、慎重にサンタクルス街にあるというライブ会場を探すも見つからない。
地図上の場所には到達しているはずなんだが。
おそるべし、サンタクルス街。
ロッコのスークみたいだ。
城の近くを迷い道にしたのかなあ???

ヒラルダの塔はやはりモロッコのクトゥビアに似ている。
先っぽは違うけど。
カテドラルも、正面の意匠はもろキリスト教だ。
しかしカテドラルは全体を見て、すごいものを作ったねと思う。

結局道端で頂いた地図が一番有効で細かな道が載っていたので、これを採用した途端、ロス・ガーヨスへと無事に到着しました。
有料の地図二枚は使えなかったな。
日本の各ガイドも地図だけはロンプラみたいに詳細が載っているとありがたいな。

その後、ショーの開始にはやや時間が早かったのでカテドラル前の大通りを突き当たりまで散歩。
帰りは並行して走る一本、東寄りの道で戻って来る。
これで時間ぴったり!
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タブラオ、ロス・ガーヨスでのショーが始まる。

基本はボーカル2人にギター奏者1人、それにダンサー1名。
ダンサーは特に大変だ。
踊るだけでなく、主にウラのリズムをサパテオ(足のステップ)やフィンガースナップで刻む。
特に男性ダンサーと長身の女性ダンサーが良かったなー。

初めのうちはなんだかノレなかった。
リズムのアンサンブルは鋭いんだけど、ノリが太くないというか。
こんなものなのかと思った。
ではアフリカではなく、本当にあのノリはどこからやって来たのだろうって。
モザイクのように細かく重なり合うが、アップダウンの弱い・・・。
なんて印象をまとめていたら、しかし男性ダンサーになって、急に深くノレだした。
何が違うかって、彼の動きは単に激しいだけではなく、キマるところはスッとひくようにピタリと調和して静止するのである。
作用反作用というか。
最初の何人かのダンサーは、激しいんだけど、リズムがずれるわけではないんだけど…激しさ故にか止まってほしいところでわずかに動作がブレるんだよな。
で、このわずかなブレが濁りを出してリズムの深さをなくしてしまうという。

男性ダンサー、あとはちょっとだけ痩せればいいのにな。
少しずつ禿げるのは仕方ないとして、ダンサーの腹が出ているのは・・・オレ的には厳しいです。

歌い手の声帯はかなり厚ぼったく合わせている感じ。
オヤジの方が若者よりも声が太いのはさすが。

フラメンコのサパテオはメキシコのベラクルスで盛んな音楽「サパテオ」へ明らかに影響を与えていると思う。
ベラクルスのサパテオはもっと軽快だけど。
そのベラクルスのサパテオもキューバからの直輸入だというから、音楽は面白い。

リズムは変拍子が多い。
これはどこからやって来た要素であるのか、はたまたフラメンコ独自のものであるのか。
3/4と6/8の混合拍子も多くて、これは一段とノリやすい。

カスタネットのビートにはモロッコの鉄製二連カスタネット、クラークシュの影響がはっきりとみてとれる。
手拍子の感じや歌の節回しにもベルベル人の影響が見て取れるのだが、実際これは政治とともにヨーロッパへと伝播したものなのだろうか。

大満足なステージでした!
ロッコとスペインは血を分け合っている事がよくわかりました。

しかし、ダンサーだけは人種の系統が違うよね。
肌も褐色で。
あの方たちはどこからやって来たの???
インド系と言われれば、そうも見えるから北インドに起源をもつというジプシーなのだろうか。
ジプシーの話はマラケシュでも聞いたし、ジプシーの音楽は結構影響力が強いのかもしれない。
あの変拍子も、インド系といわれれば腑に落ちる。

帰り道、カテドラルの脇で学生がフラメンコの野外パフォーマンスをしていた。
これはまた・・・どちらかといえば軽快なフォークダンスみたいな。
カホンも使ってくれるのは嬉しいんだけど、音が鳴っていない。
シロウトの音だ。
カホンは鳴りでわかるとして、ダンスに関してはキューバサルサでもプロと民間で踊られているものとではそれが良いとか、悪いとかではなくスタイルが違うので民間のフラメンコもそんな感じなのかもしれません。