うちでは単なる聴音、新曲以外の事を結構宿題としてやってもらっている。
その一つが「転調遊び」。
ランク1では全てのキーで?−?−?7−?を弾く事。
ランク2では主調の?−?−?7−?に追加で近親調への転調、すなわち下属調属調平行調同主調でもカデンツを連結してもらう。
これを24の長短調すべてでやる。東京音大あたりならば、まずは#♭三つくらいまでを重点的にやってもらう。
このばあいのカデンツ、転調先には?7−?−?−?7−?と連結する。
転調先は好きな調で良いのだが、どこに行ったとしても次の転調前には必ず主調のカデンツに戻ってくる事。
ランク3では全てのキーで?−?−?7−?を左手で弾き、右手で歌うがままの旋律を弾く。
ランク4では主調の?−?−?7−?に追加で近親調への転調、すなわち下属調属調平行調同主調でもカデンツを連結してもらい、それに合わせて適当な鼻歌を右手で弾いてもらう。

これをしつこくやっていると、聴音や新曲視唱が、たいしてその問題そのものに当たらなかったとしてもすらすらと出来るようになる。
問題の程度にもよりますが。
しかもこういった訓練は多くの受験生にとって楽しいもののようだ。

受験生をみていると、この「音遊び」する時間が必要なんだよなって感じる事が多いです。
音で遊ばずしてひたすら紙に書き取るようなソルフェージュの勉強は、一見効率が良いようでいてナンセンスなのではないかと感じる。

読み取った音を、弾きたい音を、イメージした音を自由に紡ぎ出せるようになるための訓練が「ソルフェージュ」なのだから、「インプロビゼーション=音遊び」的時間を過ごす事は能力啓発に非常に有効であると思う。

大体、新曲視唱や初見視奏はイメージ付けが大切で、楽譜に書かれている歌のラインや楽器の音のイメージのみではきちんと演奏する事が困難なのではないだろうか。
新曲視唱も初見視奏もウラで華やかなオーケストレーションが鳴り響いているようなイメージで歌ったり演奏したりすると演奏が安定する。

実技の無伴奏曲、打楽器の小太鼓専攻ならオールアメリカンとかポートレートとかも、デタラメで壮大なオーケストレーションを頭の中で鳴らして演奏したらかなり表現力豊かに演奏出来るんじゃないかなー!?


どう思います???