主に小学生あたりの話になるだろうか。
金管バンドや鼓笛隊、吹奏楽、オケ・・・まぁなんでも入部してきた子をパートに振り分ける。
「管楽器が出来ないから打楽器に振り分けた」・・・残念ながら多いパターンなのではないだろうか。
打楽器が不得意だけど、管楽器ならなんとかうまく出来る・・・このパターンは見逃されやすい。
しかし実は色々な管楽器のプロ奏者と付き合う中で、打楽器に向かない人を結構見かける。
こういわれると思い当たるプロ奏者も多いのではないだろうか。
幼い頃の教育のせいもあるんだろうな。
もちろん管楽器の演奏で素晴らしければ、打楽器の演奏においてもそのセンスを見せる場合が多い。
しかしすべての人がバランス良く音楽性を備えているわけではない。

またジャンル適合性も大切だ。
演奏にリズム的センスを携えていなくてもなんとか仕事になってしまう現場もある。
その人には明らかにアンサンブルのセンスが不足しているのにも関わらず、アンサンブルが仕事になってしまう現場もある。
全くのソロがその人の音楽を輝かせる・・・そんな適合だってあるだろう。

打楽器といっても色々な役割があり、楽器によって適合はまちまちだ。
何でも出来るかといえば、たとえば私なんかはビートを出す楽器の範疇ならドラムセットでの演奏等には適合性があり、しかし小物打楽器の演奏には向かない。
打楽器といっても音響効果を加える性質が強いものと、ビートを刻む性質のものとではこれまた適合性は違うだろう。

将来の事を考えるなら、子どもたちの指導者はあまり安易にその子の適合楽器を決めるべきではない。
その子にどの様な楽器が合うのか、それは結構まちまちなものだ。
「管楽器が出来ないから打楽器に振り分けた」・・・もしその子にアンサブルのセンスがなかったら・・・バンドとしては致命的だ。
バンドに一人しかいないバスドラムの子にセンスがなかったら・・・考えただけでも恐ろしい事だ。

まーいずれにせよ、やった事もないのに人の楽器を見下す事はしない方がよろしい。
様々な楽器を扱ってきた自分には、各楽器それぞれに別の難しさがあるのがわかるからやたらにそんな事はいえないけどなー。

プロならば扱う楽器については、反論を気にせずに敢えて極論すれば、寝ていても出来てしまうくらいに扱えるのが当たり前で、評価されるべきは「その人の音楽そのもの」だろう。
その人の持つ音楽のちからを、何の楽器だからという事で語るべきではないと思う。
その楽器の演奏家ならばやはり「その楽器の演奏は出来て当たり前」って事にしたいものですね。