今日はどんなものか見ておきたくて、ナタルのセントロを散歩する事にする。
とはいえ、カフェ・ダ・マニャン(朝食)の後、まずは一泳ぎ。
今日は波が静かだ。

海岸沿いの通りに面して「ハード・フォホー・カフェ」(笑)という看板のかかったお店を見つけた。

フォホーカフェ(笑)
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が、よく見れば既に閉店、残るは荒れた店内の残骸のみ。
往時は如何なものであったか。
名前からしてすごそうだ。

その海岸沿いのベンチに腰掛けて休んでいると、一人の青年が話しかけてくる。
しようもない話。
しかし、もうじき若きパパになるとの事であった。

話し込んだ後、一度宿へと戻る。

今回の宿トカ・ド・タトー、設備は良いのだが今のように泳ぎ疲れて宿へ帰る時、何十メートルも標高差のある坂を必ず登らなければならないのが難点と言えば難点である。
かえって健康に良いというむきもあるが・・・実は私もそう思う一人である。


午後はそういうわけでナタルのセントロへと行ってみる。

ここは雑然とした旧市街。

ナタル旧市街の一角
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一つだけ眺望の良い古そうな建物があり、中にはあまりやる気の感じられないツーリストインフォメーションがはいっている。
ここは何やら歴史的建造物であるらしい。

ツーリストインフォメーションのある建物から街を見下ろす
ツーリストインフォメーションのある建物から街を見下ろす.jpg

散歩しているうちに「ザス・トライス」という当地の民俗音楽をみせるシアターを発見。
迷わず予約して帰る。35ヘアイス。20:30開演で24時終演というから、かなりな見ものである。
楽しみ。


一度宿へと戻り、夜再び「ザス・トライス」へと向かおうとすると、何やら宿のロビー付近に人が集まっている。
何かあるのかと聞いてみると、なんと宿泊関係者のうち3人までもが仏教徒で、これからその集会に出かけるという。
南無妙法蓮華経を唱えていたから日蓮宗系だろう。
集会に誘われたけれど、私はマントラを唱える密教真言宗豊山派なので、とお断りさせて頂いた。

しかし、ちゃっかりと集会へと向かう車には便乗させて頂き、途中からバスに乗り換えて会場へと向かう。
バス停で何本かバスをやり過ごしながらフロントガラスに書かれてある行き先を確認する。
以前見かけて場所のわかる、これなら大丈夫だろうと思われた「NATAL SHOPPING」と行き先を表示してあったバスに乗り込んだが、そのナタルショッピングを通り過ぎた後、右折して目的地とは違う方向へとバスは行ってしまった。

ナタルショッピング
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仕方なく次のバス停で下車して会場へと猛ダッシュ
まだまだ目的地手前だったので25分程は走っただろうか。
会場のザス・トライスは、ポンタ・ネグラから旧市街へと向かう大通りに建つ中華料理店を目印にして旧市街に向かって左に入り、数本通りを横切った辺りにある。

余裕だったはずが汗だくで会場に入り、せっかくのシャツも汗で台無しである。
この店はウエイターの教育が行き届いている感じで、対応に好印象!
名前は忘れてしまったが、お薦め旬の生ジュースをビールの前に一気飲みしてしまった。


さて、ショーはどんなものか。

まずはフォホーのバンド演奏。
中々良い感じ。

フォホーの楽団
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このバンドではドラムのキックを「ンッ、ドッドー、ンッ、ドッドー、」といわゆるデイブウエックル系ソンゴのようなパターンで踏む。
これはこれで心地よいシンコペーション
このBDにザブンバが絡み、最高のボトムグルーヴを生み出している。
ベースは時折アタマも突きながら進む。

ハイハットはやはりここでも裏返らない。
「チキチー、チキチー」と規則正しく刻んでいる。

その後コーコ、カボクリーニョ、カリンボ、フレーボ、マクレレ、カポエイラなど、立て続けに演じられてゆくが、ここのショーはどうもダンスメインらしい。
バンドは決して下手ではないのに、アレンジが頂けない。
どれもこれもがショーアップを狙ってデフォルメしてくる。
ブラジル音楽の源流を探るショーの一幕があり、ブラジルに影響を与えた世界各国の音楽を短くメドレーにしたてて音楽と踊りで紹介してくれたので、ブラジル音楽をよく知らない私にも、ああ、これはデフォルメかけてるな、というのがよくわかった。
それはお笑いの人がステテコをはいてハゲのカツラや牛乳瓶めがねをかけてマヌケな人を演じるような分かり易さがあり、これはこれで良い面もあるのだろう。
が、私のようにオリジナルに忠実な音楽を聴きたいと思う向きには苦々しいものである。

とはいえほぼ誰もが、楽しい派手なショーを見て大騒ぎしながら一晩過ごしたいでしょうから、商業的に成功する為にこのお店の方針はあながちまちがった方向ではないのだろう。

ただ、私の求めるものには合わなかった。
また、メインとなっているそのダンスもチーム内個人の力量の差が大きかったように感じられた。
要所で振りが揃わない。
ダンサー達はカポエイラの演舞をしている時が最も生き生きといていたように見受けられた。

カポエイラの演舞
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不満とはいえ、それぞれの音楽やダンスの大体の雰囲気が掴めたのは良かった。
しかし、本物を見てみたいという欲求は高まるばかりである。

ショーの一幕
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またサンパウロから遊びにやってきたという日系の老夫婦が楽しそうに踊りハジけていたのが印象に残る一夜であった。

ナタル「ザス・トライス」フォホーの楽団と踊る人々
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